日経平均は反落、調整売り 下値では押し目買いか

日経平均は反落、調整売り 下値では押し目買いか
 5月29日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比62円31銭安の2万1854円00銭となり、反落した。東京証券取引所で2018年10月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
[東京 29日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比62円31銭安の2万1854円00銭となり、反落した。前日まで急ピッチで上昇して週末・月末を迎えたことから調整売りが出やすいタイミングだった。トランプ米大統領が中国に関する記者会見を予定していることも米中対立の先鋭化に対する懸念を誘い、上値を重くした。一方、日銀のETF(上場投資信託)買いに対する思惑や押し目買い観測などもあり、下押しも限定的だった。
日経平均は前営業日比108円68銭安でスタート。一時下げ幅を200円超に拡大する場面もあったが、そこから下げの勢いは強まらなかった。市場からは「今週はセンチメントが良く、押し目らしい押し目がなく上昇してきたので、下がったところでは押し目買いが優勢になるようだ」(水戸証券のチーフファンドマネージャー、酒井一氏)との声が出ていた。
TOPIXは0.39%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆2084億円だった。東証33業種では鉄鋼、海運、輸送用機器、繊維などが値下がり率上位。医薬品、食料品、情報・通信、電気・ガスなどディフェンシブ系の業種が値上がりした。
個別では、ニコン<7731.T>が大幅安。28日、2021年3月期の業績・配当予想を未定にすると発表したが、それに対する具体的な施策を示すには至っておらず、ネガティブな印象との声が出ていた。日産自動車<7201.T>は急反落。28日発表した20年3月期連結純損益が6712億円の赤字(前年は3191億円の黒字)となったことなどが嫌気された。
東証1部の騰落数は、値上がりが937銘柄に対し、値下がりが1152銘柄、変わらずが78銘柄だった。
日経平均はマイナス圏、2万1700円台半ばで推移している。
直近の連騰で25日移動平均線からの上方乖離率が7%を超えるなど、テクニカル的に高値警戒を示す指標が増えている。トランプ米大統領が29日に行うとした中国に関する記者会見によって米中対立が先鋭化する恐れもあり、上値は重い。今週は海外投資家などの買い戻しが主導する形で上昇してきたが、きょうはその動きも一服しているという。
寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比108円68銭安の2万1807円63銭となり、反落した。前日までの4営業日で1500円超の上昇となっており、過熱感や高値警戒感が意識されやすい。週末・月末ということもあり、利益確定や戻り待ちの売りが出ているとみられる。
米国株先物が軟調に推移していることも上値を重くしているもよう。
市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車<7203.T>、キヤノン<7751.T>、ソニー<6758.T>が売り買い拮抗。ホンダ<7267.T>、パナソニック<6752.T>は売り優勢。
指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>、ファナック<6954.T>は売り買い拮抗。
メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>が売り優勢。三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>は売り買い拮抗となっている。

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