マイナス金利の深掘り、現時点で必要とは思わない=日銀総裁

マイナス金利の深掘り、現時点で必要とは思わない=日銀総裁
5月14日、黒田東彦日銀総裁(写真)は、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が主催したセミナーで、現時点でマイナス金利の深掘りが必要ないとの認識を示した。ワシントンで2019年10月撮影(2020年 ロイター/James Lawler Duggan)
[東京 14日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は14日、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が主催したセミナーで、現時点でマイナス金利の深掘りは必要ないとの認識を示した。
黒田総裁は、「政策金利をさらに引き下げる余地はかなりある」と指摘した上で、現時点でそれは必要ないとの認識を示した。
黒田総裁は「現時点で最も重要なことは、銀行システムを通じて企業に必要な資金を供給することと、金融市場を安定させることだ」と述べ、これまでに日銀が導入した措置は「十分かつ適切だった」との見解を示した。
黒田総裁は、新型コロナウイルスの感染抑制対策が消費に打撃を与え、日本経済は第1および第2・四半期に「相当落ち込む」としながらも、新型コロナの影響が収まれば下半期には回復し、日本がデフレに戻ることはないと予想した。
「日本経済が、物価が継続的に下落するデフレに陥るとは予想していない」と語った。
黒田総裁は、日銀が3月と4月に取った「非常手段」は公衆衛生上の危機がもたらす経済的負担を和らげるための一時的な措置だと強調。「新型コロナの感染を封じ込め、景気が回復し始めれば、これらの非常手段は徐々に撤廃していく」と述べた。
ただ、2%の物価目標を達成するまでにはかなり時間がかかるため、「緩和的な金融状況は基本的に継続する」とも述べた。
*内容を追加しました。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab