今日の株式見通し=値動きの荒い展開、FRBの緊急利下げを受け

[東京 16日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、値動きの荒い相場展開が予想されている。連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債券買い入れを再開すると発表。これを受け、為替のドル/円は一時105.74円まで下落、米株先物は現在ストップ安となっている。FRBの措置を巡り見解が分かれ、東京株式市場ではボラタイルな展開になるとみられる。
日経平均の予想レンジは1万6700円─1万8000円。
米連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債券買い入れを再開するとしたほか、危機時の対応手段の活用に踏み切った。新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めに向けた取り組みにより、急速に悪化する世界経済を支援するため、世界の主要中銀と協調した。
これを受け為替でドル/円は一時105.74円まで下落、米株先物はサーキットブレーカー発動で現在ストップ安となっており、日経平均は再び1万7000円を下回る可能性がある。ただ、FRBの措置を巡り市場では見解が分かれており、急落した後には急上昇するような展開も考えられるとの声がある。日経平均は先週に引き続きボラタイルな動きが続くとみられる。
みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は「米国では新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、なかなか歯止めがかからないことが嫌気されている。その中での緊急利下げなので、やはりそれほど悪いのかという印象を市場に与えているのではないか」と指摘する。「ただ、G7諸国の首脳らが協調対応を協議するなど、金融・財政・コロナの三位一体的な政策対応の動きが出てきた。今はマイナスに動いているものの、後で変わる可能性はある」という。
国内では1月機械受注(内閣府)の発表が予定されているほか、マザーズ市場にミクリード<7687.T>が上場する。国外では中国で鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資(国家統計局)、米国でNY州製造業業況指数(連銀)がそれぞれ発表される。

佐古田麻優

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