今日の株式見通し=大幅続落、世界株安が加速 1万7000円割れか

[東京 13日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、大幅続落が想定されている。前日の米国株式市場は暴落。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、トランプ米大統領がホワイトハウスからの演説で英国を除く欧州からの入国禁止を発表したことなどが嫌気され、世界各国で株安が加速している。東京市場でも朝方から売り優勢の展開となり、日経平均は1万7000円を下回るとの見方が多い。きょうはメジャーSQ(特別清算指数)算出日のため、寄り付き直後はボラタイルな動きとなる可能性もある。
日経平均の予想レンジは1万6700円─1万8100円。
新型コロナを巡り世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的な流行)に相当すると表明したことを受け、世界的な株安が止まらない。12日の米国株式市場でダウ平均株価<.DJI>は2352ドル値下がりし、過去最大の下げ幅を記録したほか、下落率も約10%と1987年10月のブラックマンデー以降で最大になった。S&P総合500種指数<.SPX>とナスダック<.IXIC>は2月に付けた最高値から20%超下落。米国株式市場において投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は一時76.83まで上昇し、2008年11月以来の水準にとなった。
またトランプ米大統領は12日、2020年東京五輪について1年延期することを関係者は検討すべきとの考えを示した。安倍晋三首相には公式に提案するつもりはないと述べたものの「無観客の競技場で実施するよりは良い」とし、延期がより良い選択だという見方を示した。トランプ米大統領の発言が、日本株にマイナス作用する可能性がある。
現在のドル円は104.70円台で、前日午後3時時点と比べて円安水準。シカゴの日経平均先物6月限(円建て)清算値は1万6855円と、前日の現物終値を大幅に下回り、1万7000円割れが警戒されている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニア投資ストラテジストの荒井誠治氏は「トランプ大統領の演説については昨日の時点で織り込まれているものの、ダウがここまで下がるとさすがに投げ売りが起きてしまう」と指摘する。「メジャーSQ算出日でもあるため、イレギュラーな売買が加わり、荒い相場になる可能性が高い」という。
主なスケジュールとしては国内で日経平均先物3月限・オプションのSQ(特別清算指数)が算出されるほか、木村工機<6231.T>が東証2部に、フォースタートアップス<7089.T>とリグア<7090.T>が東証マザーズ市場にそれぞれ新規上場する。
前営業日終値 昨年来高値 昨年来安値
日経平均<.N225>      18559.63 24115.95 18339.27
-856.43 2020年1月17日 2020年3月12日
シカゴ日経平均先物6月限 16855(円建て)
*内容を追加しました。

佐古田麻優

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab