タイ、プラユット首相が続投の見通し

タイ、プラユット首相が続投の見通し
 5月9日、タイで総選挙の結果が発表されたが、親軍政政党「国民国家の力党」は容易に連立政権を樹立できるとみられており、プラユット首相の続投が決まる見通しだ。3月撮影(2019年/Athit Perawongmetha)
[バンコク 9日 ロイター] - タイで総選挙の結果が発表されたが、親軍政政党「国民国家の力党」は容易に連立政権を樹立できるとみられており、プラユット首相の続投が決まる見通しだ。[nL3N22K5RK] スコタイ・タマティラート・オープン大学の政治学者Yuttaporn Issarachai氏によると、連立相手の候補は「民主党」「タイの誇り党」、その他11の中小政党。同氏は「プラユットの続投は確実だ」とした上で、連立政権の下院の議席数は過半数をわずかに上回る程度で、政権は不安定になる公算が大きいとの見方を示した。
タクシン元首相派政党「タイ貢献党」など7党で構成する「民主戦線」は、選挙制度と選挙管理委員会が軍政寄りだと批判。法的措置を講じる構えをみせているが、選挙管理委員会や国民国家の力党は、民主戦線の主張を否定している。
新政権の樹立には数週間かかる可能性がある。
首相の任命には、上下両院で376議席を確保する必要があるが、上院(定数250)は軍が任命する仕組み。
民主党とタイの誇り党の獲得議席はそれぞれ52、51。国民国家の力党は115議席を獲得しており、同党は下院(定数500)で126議席を確保すれば、プラユット首相の続投が可能になる。
上院が任命制であるため、民主戦線には政権樹立の可能性が事実上ない。
ウボンラーチャタニ大学のTitipol Phakdeewanich政治学部長は「タイは民主主義に戻るのではない」とし「選挙は、軍が政権を維持し国際社会に民意で選ばれた政府だと主張するための粉飾にすぎない」と述べた。

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