タイ中銀、政策金利を1.75%に据え置き 予想通り

タイ中銀、政策金利を1.75%に据え置き 予想通り
 5月8日、タイ中銀は、政策金利である翌日物レポ金利を1.75%に据え置いた。据え置きは3回連続。金融の安定性へのリスクが残る中、金融政策は引き続き緩和的だとした。写真は万国で2016年4月撮影(2019年 ロイター/Jorge Silva)
[バンコク 8日 ロイター] - タイ中銀は8日、政策金利である翌日物レポ金利を1.75%に据え置いた。据え置きは3回連続。金融の安定性へのリスクが残る中、金融政策は引き続き緩和的だとした。
決定は全会一致だった。
ロイター調査では、エコノミスト19人全員が据え置きを予想していた。
タイ中銀は昨年12月に25ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。2011年以来、初めての利上げとなった。
中銀の金融政策委員会は、今年のタイ経済の成長ペースが最新予測の3.8%を下回ると予測。
「金融状況全般は依然として緩和的で経済成長に寄与する。将来の金融の安定にリスクがあり、引き続き注視が必要だ」と表明した。
カシコーン銀行のKobsidthi Silpachai資本市場調査部長は、長期にわたる低金利で家計の債務が拡大することを中銀は依然として懸念していると指摘。
「タカ派からハト派に移行する(中銀が増えており)、物価も抑制され、経済成長も4%を下回っている。こうした状況では、政策金利は年内据え置かれるだろう」との見方を示した。
中銀のウィラタイ総裁は先月、ロイターとのインタビューで、海外諸国の政策判断に追随する必要はなく、タイの政策金利は他国と比較して低いと発言していた。[nL3N21J4Z8]
総裁は、金融の安定に対するリスクは残っており、利上げの可能性をまだ閉ざしていないとも述べた。
4月のインフレ率は1.23%と、中銀の目標レンジ(1─4%)の下限付近にとどまっている。
中銀はバーツ相場について、引き続き他のアジア通貨に連れた値動きとなっていると指摘した。バーツは今年対ドルで2%上昇、アジア通貨で上昇率1位となっている。
*内容を追加しました。

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