今日の株式見通し=続落、世界景気への減速懸念 米株安も嫌気

[東京 8日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は続落となりそうだ。欧州中央銀行(ECB)が利上げの時期を先延ばしするなど、世界景気の減速懸念が高まっており、日本株も景気敏感銘柄などに下押し圧力が強まりやすい。12月の下落からの戻りをけん引してきた米国株も主要3指数が4日続落となり、調整地合いも意識される。メジャーSQ(特別清算指数)算出日のため、寄り付き直後はボラタイルな動きとなる可能性もある。
日経平均の予想レンジは2万1150円─2万1400円。
ECBは危機後初となる利上げの時期を来年に先延ばしすると発表。さらに超長期の銀行向け低利融資を再び実施すると表明した。[nL3N20U3B5]それに先立ち、日本の内閣府が発表した1月の景気動向指数(速報値、2015年=100)は、景気の現状を示す一致指数が2013年6月以来の低水準となり、基調判断も「下方への局面変化を示している」へと従来表現から引き下げられた。市場では、世界景気の減速リスクに意識が向かっている。
米国株は、米中通商合意への期待や米連邦準備理事会(FRB)の利上げに慎重になるとの見方から年初以降大きく上昇してきたが、このところ失速。7日のダウ工業株30種、ナスダック総合、S&P総合500はいずれも下落。再上昇には追加の買い材料が出てくることが待たれる。
日経平均先物6月限は、大阪取引所の夜間終値が2万1080円。シカゴ・マーカンタイル取引所の清算値(円建て)は2万1090円を付けている。6月限のSQ日までの間の配当落ち分の影響を考慮しても、序盤の東京市場で日経平均は軟調な滑り出しとなる公算が大きい。メジャーSQ算出日のため、特殊な需給要因も重なることにも留意が必要となる。
市場からは「大きく下げれば日銀のETF(上場投資信託)買いへの思惑が出てくるだろうが、米国株で戻りに一服感が出ている中、日本株に押し目買い意欲は盛り上がりにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の投資ストラテジスト、三浦誠一氏)との見方が出ていた。
日本では10─12月期国内総生産(GDP)2次速報値が発表される。中国では2月貿易統計、米国では2月雇用統計などの発表が予定されている。
前営業日終値 昨年来高値 昨年来安値
日経平均<.N225>      21456.01 24448.07 18948.58
-140.80 2018年10月2日 2018年12月26日
シカゴ日経平均先物6月限 21090(円建て)

杉山健太郎 

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