李克強首相、中国経済のさらなる開放に意欲 保護主義を批判

李克強首相、中国経済のさらなる開放に意欲 保護主義を批判
 11月12日、中国の李克強首相(写真)は、保護主義が高まる中での中国経済の一層の開放に強い意欲を示した。北京で7日撮影(2018年 ロイター/THOMAS PETER)
[シンガポール/マニラ 12日 ロイター] - 中国の李克強首相は、保護主義が高まる中での中国経済の一層の開放に強い意欲を示した。東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の関連会合出席を前に、シンガポールのストレーツ・タイムズ紙に語った。
李首相は「中国は世界に扉を開いた。今後閉ざすことはなく、さらに開放する」と語り、保護主義と一国主義の機運が高まる中で「開かれた世界経済」の重要性を強調した。米国との貿易戦争について直接的な言及はなかった。
既存の多国間貿易協定には不公正なものがあると主張し、中国が知的財産権を侵害していると批判するトランプ米大統領は、シンガポールでの会合には出席せず、ペンス副大統領が代わりをつとめる。李首相とペンス副大統領が会合の合間に別途、会談するかどうかは不明。
ASEAN首脳会議の関連会合には、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、安倍晋三首相らが出席する。
李首相は、中国が東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に関する交渉を「促進するため、すべての関係者と協力する」と述べた。RCEPには豪州、中国、インド、日本、ニュージーランド、韓国など16カ国が名を連ねるが、米国は含まれていない。
外交関係者らによると、協議は進められているものの、完全な妥結は来年以降になる見込み。フィリピン外務省高官のJunever Mahilum-West氏は「サミット中、首脳らは交渉妥結へのコミットメントを示す見通しだ。特に貿易摩擦の拡大を考慮する上で非常に重要だからだ」と述べた。
ロイターが確認した、RCEP参加予定国が今週公表する共同声明の草案は「2019年の完全妥結に向けて取り組むよう、交渉団に指示する」としている。
*内容を追加しました。

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