英・EU、金融サービス巡り暫定合意 離脱後もアクセス維持へ=英紙

英・EU、金融サービスで暫定合意 離脱後もアクセス維持へ=英紙
 11月1日、英国のメイ英首相(写真)は、欧州連合(EU)離脱交渉で金融サービスを巡りEU側と合意した。英国の金融サービス企業は離脱後も欧州市場に引き続きアクセスすることが可能になる。10月にロンドンで撮影(2018年 ロイター/Henry Nicholls)
[1日 ロイター] - 英国のメイ首相は、欧州連合(EU)離脱交渉で金融サービスを巡りEU側と合意した。英国の金融サービス企業は離脱後も欧州市場に引き続きアクセスすることが可能になる。英タイムズ紙が1日、政府筋の話として報じた。
同紙によると、英国とEUの交渉担当者は、サービスに関する将来関係のあらゆる側面やデータの交換について暫定合意に達した。
今回のサービスに関する合意は、英国の金融規制がEUの規制とおおむね一致している限り、英国の企業は離脱後もEU市場にアクセスできるという内容。
報道を受け、ポンドは対ドルで0.5%上昇した。
英国のEU離脱が来年3月に迫る中、英国で事業を展開する世界的な金融機関は、英国がEUと将来関係に関する合意なしに離脱する場合に備え、新たな欧州拠点を創設するなど事業の再編を迫られてきた。
タイムズ紙によると、EUは英国がEUと「同等の」規制を備えていると認めるとみられ、これにより英国の金融サービス企業は離脱後も現在と同様にEU域内で事業を継続できる見通し。
EU当局者は先に、EU域外の銀行や保険会社の自国ルールがEUの規制と「同等」とみなされる場合に、域外の金融サービス企業にEUの金融市場アクセスを認める制度を利用するのが英国にとっての最善策と指摘していた。
タイムズ紙によると、既存のルールではこの制度の適用は限定されており、わずか1カ月前の通知によってEUが一方的に市場アクセスを取り消せる。
新たな合意では、「同等」の判断に基いて認めたアクセスの延長を可能にし、より広範な通商条約の管轄下にこの制度を置くことで、EUと英国が事前協議を経た上で金融規制の変更あるいは新設を行えるようになるという。
タイムズ紙によると、メイ首相の欧州担当顧問であるオリバー・ロビンス氏はブリュッセルでEU側と交渉を続けている。
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